老化は、生理機能の低下、病気に対する脆弱性の高まり、慢性的な炎症といったプロセスに関連して起こります。ただし、健康的な老化が細胞の分子プログラミングに与える影響については、ほとんど理解されていません。

私たちは、ワシントン大学セントルイス校にある Maxim Artyomov 研究所のメンバーとの共同研究プロジェクトにて、大規模なマルチオミクスデータセットに対して、システム分析を包括的に分類、実行することによって、人間の老化を、分子から臓器、生物的なレベルまで、あらゆるレベルで理解することを目指しています。そうしたデータセットには、バルク細胞および単一細胞のトランスクリプトミクス、エピゲノミクス、メタボロミクス、プロテオミクス、臨床血液検査などが含まれます。最終的な目標は、十分に管理された時系列データを用いて、人間の老化を何よりも促進する要因を突き止めることです。

研究グループは、斬新な手法を作成し、試験的なデータ解析のすべてのステージに用いる計算パイプラインを構築します。私たちは、バイオインフォマティクス、機械学習、ソフトウェア開発の専門知識を持ち合わせているため、堅牢でスケーラブルなパイプラインを構築するのに必要なベストプラクティスを組み合わせることができます。

主な出版物:

1. Shchukina, I., Bagaitkar, J., Shpynov, O. et al. Enhanced epigenetic
   profiling of classical human monocytes reveals a specific signature of
   healthy aging in the DNA methylome. Nat Aging 1, 124–141 (2021).
2. Mogilenko, D., Shpynov, O. et al. Comprehensive profiling of an aging immune
   system reveals clonal GZMK+ CD8+ T cells as conserved hallmark of
   inflammaging. Immunity 54.1 (2021): 99-115.
3. Arthur, L., Esaulova, E., Mogilenko, D. et al. Cellular and plasma
   proteomic determinants of COVID-19 and non-COVID-19 pulmonary
   diseases relative to healthy aging. Nat Aging 1, 535–549 (2021).